【大学院つらい】大学院(修士課程)の辛さは3つの要素で決まる

院試・大学院生活

大学院生活は、基本的に辛いです。ずっと楽しく大学院生活を過ごせる人は、ほぼいません。少なくとも、私は見たことがありません。

とはいえ、大学院(修士課程)の辛さの程度が、人によってかなり異なるのも事実です。比較的ラクに修士号をもらってしまう学生がいる一方で、何日も徹夜を続けて研究している学生や、2年間で修士号を取得できない学生もいます。

このような大学院の辛さは3つの要素で決まる、というのが修士の2年間で苦労しまくった私の考えです。今回はこの3つの要素をご紹介します。ちなみに、私の辛かった経験は以下の記事でご紹介しているので、本記事と合わせてぜひご覧ください。

大学院の辛さを決める3つの要素

その1:研究室のカルチャー

まずは研究室のカルチャーです。大学院生活を決める圧倒的に大きな要因です。

研究室のカルチャーは、具体的には以下のような要素によって決まります。

研究室のカルチャーを構成する要素
  • 研究室にいなければならない時間(コアタイム)
  • 教授や講師、先輩への進捗報告頻度
  • ゼミ、輪講、研究室の開催頻度や雰囲気
  • 論文に求めるレベルの高さ
  • 研究以外の活動(就職活動やアルバイト)への許容度

私の場合、時間的な拘束はほとんどなかったので、就職活動やアルバイトを比較的自由に行うことができました。しかし、中にはバイトはもちろんのこと、就職活動すら十分に行えないような研究室もあります。また、厳しく進捗を求められるために月に数回の徹夜が当たり前の研究室もあります。

もしあなたが「研究と就活を両立させたい」「研究しつつ、ビジネスにも手を出してみたい」などと考えているのであれば、そのような活動が許される研究室を選ぶ必要があります。研究室訪問時に教授や在学生に聞くなど、院試前にリサーチすることを強くおすすめします。ちなみに、私は研究室訪問時に教授にずばり質問しました。

その2:研究テーマ

2つめは研究テーマです。研究テーマによって、研究の進めやすさや論文の書きやすさが大きく変わります。

基本的に修士論文には新規性(その研究でしかやられていないコト)が求められます。研究テーマによっては、この新規性を与えるのが大変難しい場合があります。特に、世界中でかなり研究し尽されている分野を選んでしまった場合や、所属する研究室が持つ設備・技術・人員のパワーが不足している場合に起こりがちです。

また、実験の難易度も重要です。大掛かりな準備を要する、一人では実施できない、時間が長くかかる、遠方まで移動する必要がある、失敗する可能性が高い、といった特徴をもつ実験が必要になる場合、研究をスムーズに進めるのは難しくなります。まあ、これらは研究を面白くしてくれる要素でもあるのですが…(とはいえ、2年間という短期間で論文を書かなければいけない修士の院生にとっては死活問題です)

ちなみに、「先輩のテーマを引きつぐ」という場合は、論文執筆の難易度が下がることが多いです。なぜなら、研究の背景や目的、進め方などがある程度決まっているからです。私は完全に新しいテーマで研究を始めたため、方針の設定にかなりの時間を費やすことになりましたが、先輩のテーマを引き継いだ同期はかなりスムーズに研究を進めていました。

その3:自分のマインド

最後は、自分自身の問題です。すなわち、『自分で、修士課程に何をどこまで求めるか』、ということです。

修士号は、基本的にそれっぽい論文が書けていれば取得できます。したがって、中にはとても低クオリティの論文で修士を修了していく学生がいます(東工大でも東大でも、「え、これが修士論文…?」と感じる事例はたくさんありました)。

逆に、かなり良い研究をしているにも関わらず、「こんなクオリティでは、とても修士号に値しない…」と自分を追い込み、論文執筆で苦労する学生もいます。もちろんクオリティの高い修士論文を執筆することは素晴らしいのですが、あまりに自分を追い詰めすぎるがゆえに論文が書けなくなったり、大学院に行けなくなってしまっては本末転倒です。

学部生は信じられないかもしれませんが、うつ病や適応障害などの精神疾患にかかってしまう大学院生はめずらしくありません。実は、私も修士課程の途中で精神科のお世話になっています。大学院に来れなくなって中退する学生はたくさんいますし、中には自ら命を絶ってしまう学生もいます。

修士課程をうまく切り抜けるうえでは、あまり自分自身にプレッシャーをかけすぎないことも大切です。

大学院をやめたくなったら

大学院に進学した人なら、1度くらいは「大学院をやめたい」と思うことがあると思います。

そんなときに覚えていただきたいのは、「焦って中退を選択しないほうが良い」ということです。特に、メンタルが疲弊しているときは、冷静な判断ができません。しんどいなぁと思ったら、まずはいったん休息をとり、その後のことは落ち着いてから考えるようにしましょう。

このあたりのアドバイスは、以下の記事に記載してありますので、是非ご覧ください。

また、もう少し頑張れそうなのであれば、気持ちを切り替えることに注力するのも良いでしょう。

参考までに、私が大学院在学中に実践していた気持ちの切り替え方を以下でご紹介しておりますので、ご覧ください。