【大学院中退】研究でメンタルをやられて大学院中退を考えていたときの話

大学院 中退 院試・大学院生活

今日は、大学院で苦しんでいた思い出のご紹介。

真剣な院試勉強の末につかんだ、第一志望の研究室への合格に喜んでいられたのもつかの間。大学院の生活は思った以上に厳しいものでした。

今でこそ良い思い出ですが、当時は本当に辛くて、「中退したい」と思った回数は数え切れません。

大学院が辛かった時期は2回あった

修士の2年間で、辛かった時期は2回あります。

1回目は、修士2年の春。2回目が修士2年の冬(12月~1月)です。

今回は、1回目(修士2年の春)に起こった出来事をご紹介します。2回目に起こった出来事は、以下の記事でご紹介しています。

当時の私の状況

実験はうまくいかない上に、人間関係でも悩みを抱えていた

研究とは、基本的に上手くいかないものです。

やることが山ほどあって終わらなかったり、逆に何をやればいいのか全くわからなかったり、装置が壊れてデータがとれなかったり、苦労して取れたデータが全く使えないものだったり。

当時の私も実験が全くうまくいかず、毎日夜遅くまで試行錯誤する日々でした。しかも運が悪いことに、共同研究をしていた方(海外の企業から派遣されてきた方)とコミュニケーションがうまく取れておらず、人間関係での悩みも抱えながらの研究になっていました。

また、私が誰にも弱音を吐かなかった、相談しなかった、といった点も、状況を悪化させる一因となりました。

身体に異変が起こる

そんな生活を続けていると、徐々に身体に異変が起こってきます。まずは、寝つきが悪くなります。疲れているはずなのに、布団に入っても全く寝付けません。加えて、深夜に急に目が覚めてしまうことも増えてきました。

これをさらに放置した結果、最終的には、

  • パソコンに向かうと手がガクガク震えてキーボードが打てなくなる
  • 研究室の机に座ったまま頭が真っ白になって30分くらい動けなくなる

といった症状が出て、研究どころではなくなってしまいました。

精神科に駆け込んで休みをもらった

もうとても研究ができるような状況ではありませんでしたので、とりあえず、「精神を壊したので休みます」と助教にメールして、大学院を休みました。そして、大学のカウンセリングを受け、自宅近くの精神科にも行きました。

いま振り返ると、かなりギリギリのタイミングで逃げられたなと思います。これ以上無理に研究を続けていたら、本当にうつ病になって再起不能になっていた可能性があります。

皆さんも、手がガクガク震え始めたらすぐに休みましょう!!(マジで。)

中退するかどうか、必死で悩んだ

本当に中退を考えました。不安はありましたが、「とにかく逃げだしたい」という思いが相当強かったことを覚えています。

就職活動は終えていたので、内定先に「中退を考えています」とご連絡しました。友人にも、何度も、「中退するかも…」という話をしました(しかし、家族には言い出せませんでした)。

そんなとき、インターン先のIT企業の社長から、「中退しても良いと思うけれど、いまは冷静な判断ができないはず。一回ゆっくり休んで、冷静になってから考えた方が良いよ。」とアドバイスをいただき、中退するかどうかは保留することにしました。

ひとりでハワイに飛ぶ

自宅での療養生活が始まりました。研究から離れるだけで、随分と心が軽くなりました。

ただ、大学院を休み初めて1週間ほどが経ち、家にこもり続けるのも精神的にあまり良くないと感じ始めていました。

そこで私は、「ハワイに行く」というソリューションを思いつきました。

すぐに5日後のフライトとホテルを予約。ひとりでハワイに飛びました。療養目的だったので、ホテルもそこそこ高級なところをチョイス。ワイキキの海でプカプカ浮いていると、色々と嫌なことを忘れられました。

復帰

ハワイから帰ってきた後も、一人で栃木の秘湯に遊びに行ったりと、しばらくは自由な時間を過ごしていました。とはいえ、いつまでも休んでいるわけにはいきません。仮に大学院に戻るなら、早く決断する必要があります(研究のために残された時間が無くなりつつありました)。

悩みましたが、「あれだけ院試勉強を頑張って入学した大学院を、そう簡単にやめるわけにはいかない」と考え、復帰を決めました。結局、1ヵ月弱の休みを経て研究室に復帰することになりました。

そして、次の絶望へ。

復帰後、教授や助教の計らいで、私は以前のプロジェクトから外れることになり、また新たなテーマで研究を始めました。人間関係の悩みがなくなり、しばらくの間、気楽に研究を進めることになります。

そして、修士論文執筆という地獄に向かって突き進んでいったのです。

研究でメンタルを病んだ人へのアドバイス

私と同じように、研究でメンタルを病んでいる人に、いくつかアドバイスがあります。

手が震えたら問答無用で休みましょう

まず言えるのは、「手が震え始めたら休みましょう」ということです。

病んだ際の典型的な症状はいくつかありますが、手が震えるというのはかなり危険な状況です。私の先輩にも、就職後にメンタルを病んで、手が震えてどうしようもなくなった方がいます(その方は、1年超の休職を経て復帰しています)。もし手が震えるようなことがあれば、今すぐ休むべきです。

私の場合、比較的初期の段階で休むことができましたが、放置すると後戻りできない状況になりかねません。

誰でもいいので、周りに相談しましょう

私は悩みを周りに相談しなかったため、状況が悪化しました。とはいえ、大学院を休んでからは、積極的に周りの人に相談することを心掛けました。当たり前ですが、誰かに相談するだけでも随分と心は楽になるものです。

相談する際、相手は誰でも良いと思います。相談相手がいない場合、大学院に設置されている相談室やカウンセリングサービスを利用してみてください。私もお世話になりました。

勢いで中退するのは控えましょう

私は中退を選びませんでしたが、仮に中退していたとしても、それなりにうまくやれたような気はします。もしかしたら、中退したほうが面白い人生を送れたのかもしれません。

しかしながら、今は「あの時、中退しなくてよかった」という思いが強いです。

「一度冷静になるまで、重要な決定を保留する」というのは、忘れてはいけないポイントです。精神が病んでいるときは、基本的に冷静な判断ができないので、意思決定は先延ばしにしてとにかく休む、ということが大事です。このアドバイスをしてくださった、当時のインターン先の社長には心から感謝しています。

メンタルの弱り方が軽度であれば、気持ちを切り替えてみましょう

もし、メンタルの弱り方が軽度で、もう少し頑張れそうな状況であれば、気持ちを切り替えることに注力するのも手です。

以下の記事で、私が大学院在学中に具体的に行っていた気持ちの切り替え方をご紹介しておりますので、参考にしてみてください。

おわりに

大学院は、非常に素晴らしいところです。しかし、場合によってはかなり辛い思いをすることになります。私の体験が、同じような境遇の大学院生のお役に立てれば幸いです。