【テストだけでは受からない】大学院を受験するなら知っておくべきこと

院試・大学院生活

今日は大学院受験(大学院入試、院試)について。私自身、東工大から東大の院へ進学し、第一志望の研究室に合格するためにさまざまな工夫をしましたので、その経験や周りの友人らの話をもとに、「大学院を受験をするときに覚えておくべきこと」をご紹介します。

なお、今回ご紹介するのは理系の場合のお話です。文系の場合はやや事情が異なる可能性があります。

ペーパーテストの点数だけでは合格できない

大学受験までは、ペーパーテスト=入試で高得点がとれた人が入学の許可を与えられましたが、大学院では少し違います。

大学院生は、基本的に「研究室」に配属され、研究室の先生が指導教員となります。そして、研究室に配属する院生を決める権限は、基本的に指導教員が持っています。すなわち、どんなにペーパーテストの成績が良くても、「この学生はいらない」と指導教員に思われてしまえば、その研究室への配属は不可となります。例えば、「いま学部配属している学生をそのまま取る予定だから、修士からの追加募集はしません」というパターンはよくあります。

「単にペーパーテストで点を取ればいいというものではない」ということを、良く覚えておきましょう。

ちなみに、院試では志望する研究室をいくつか順位付けして出願するのが一般的で、1つの研究室がダメでも他の研究室に滑り込めることが多いです。ペーパーテストである程度の点がとれていれば、どこかしらの研究室に拾ってもらえる可能性は高いでしょう。また、極端に点数が低い科目があると強制的に不合格になる場合もあるようなので、注意が必要です(特に英語は確実に点を取りたいところ)。

研究室訪問をするべし

大学院入試において、ペーパーテストの対策と並行してやっておきたいことに、研究室訪問があります。

研究室訪問とは、院試の前に研究室を訪問することです。運が良ければ、先生と直接お話をすることができるでしょう(助手や学生が対応する場合もあり)。7月~8月に院試を受ける場合、学部3年の1月~学部4年の5月ごろに訪問するのが一般的です。ただし、年度末は先生方が忙しい場合も多いので、適宜調節が必要です。私は、学部4年の5月に訪問しました。

ちなみに、研究室訪問をすれば確実に合格可能性が上がるとは言い切れません。この辺りは研究室によりけりで、研究室訪問をしなくても合格する場合も、かなり多いです(というか、たいていの人は研究室訪問をしません)。一方で、「研究室訪問をしていない場合、問答無用で不合格にする」という先生もいらっしゃいます。

また、研究室訪問によってある程度研究室の雰囲気もわかりますので、ちょっと気になった研究室をとりあえず訪問する、というのもおすすめです。

私自身は、研究室訪問をしたおかげで先生に好印象をもってもらえたようで、かなり合格が近づいた感覚がありました。詳しくは以下の記事でご紹介しているので、ぜひご覧ください。

大学院入試は過去問演習が必須

ペーパーテストだけで合否が決まらないとはいえ、やはりペーパーテストの点数も重要です。このとき大切なのは、いかに過去問演習をするか、です。

大学院入試は大学入試と違い、ローカル感が強い試験なので、過去問と似たような問題が頻出します。過去問を解くのは、必須と言って良いでしょう。

他大学からの受験生は、過去問の情報をいかに入手するか、が合否を分けると言えるでしょう。私の場合、東大の過去問は公開・販売されていたので、それを利用しました。東工大の過去問はあまり公開されていないのですが、学生間でめちゃくちゃ共有されているので、それを利用しました。(他大学の人がこの情報にアクセスするのはかなり大変だと思います。)

ちなみに、研究室訪問をした際に、研究室にいらっしゃる学生さんが院試の過去問をくれたりすることもありますので、やはり研究室訪問はおすすめです。

授業プリントや教科書情報は超大事

過去問とならんで、学部の授業で使っているプリントや教科書の情報は非常に重要です。

というのも、大学院入試では、「授業でつかっている問題がそのまま出る」なんてことが当たり前に起こるからです。例えば、東工大電気電子系の院試の問題は、ほとんどが東工大の学部の授業で紹介されているような問題だったり、教科書に載っているものをちょっといじっただけの問題だったりします。

要は、その大学に所属している人に圧倒的に有利なのが、大学院入試です。東工大以外の学生が、東工大の授業プリントを得るのは難しいでしょう。私は東大の授業プリントを入手できませんでしたが、もし入手できていれば院試はかなり楽になっただろうなと思います。

もし、友人などを利用して授業プリントを入手できそうであれば、ぜひ入手することをおすすめします。また、利用している教科書を教えてもらい、実際にその教科書を読んでみるのも良いでしょう。