京都大学の特徴
東京大学と並んで日本の最難関大学に君臨する京都大学。全体的な評価ではやや東大に劣るものの、IPS細胞研究の山中伸弥教授や宇宙際タイヒミュラー理論の望月新一教授など、日本を代表する超優秀な研究者が集結しています。
日本のTOP4大学を東京一工と呼ぶことがありますが、その中でも東大と京大はやはり別格ですね(東工大に通っていた私個人の感想です)。日本で唯一、東大と対等に張り合える大学です。
京都大学の学部・学科
京都大学では文系から理系、医学系まで幅広い学問を学ぶことができます。
総学科数は法学部を含めて22となっていますが、東京大学の総学科数44(法学部のコース、農学部の課程を含む)と比べるとかなり少ないように見えます。その代わり、それぞれの学科の中に細かく系やコースなどが設置されている学部・学科も多く、その場合は入学後に再度振り分けが行われます。
学科数が少ないのは、「入学時に進路を絞り込まない(入学後の進路選択の自由度を高める)」という方針が反映されているためで、「入学時は6つの類のどれかを選択し、その後2年間は全員を教養学部に配属させる」というアプローチをとっている東京大学と極めて近い考え方と言えます。
総合人間学部
文理融合が特徴の学部で、東京大学の教養学部に相当します(京都大学総合人間学部の母体は京都大学教養部です)。人間科学系、認知情報学系、国際文明学系、文化環境学系、自然科学系の5コースが用意されています。
総合人間学科
総合人間学部唯一の学科。
文学部
文学はもちろんのこと、哲学、歴史学、行動科学などの研究を行います。東洋文化学系、西洋文化学系、哲学基礎文化学系、歴史基礎文化学系、行動・環境文化学系、基礎現代文化学系の6つの系が設置されており、1回生の秋に行う希望調査をもとに、2回生でそれぞれの系に配属になります。
人文学科
文学部唯一の学科。
教育学部
教育についての研究を行います。1学科制で、現代教育基礎学系、教育心理学系、相関教育システム論系の3つの系があります。
教育科学科
教育学部唯一の学科。
法学部
法律や政治について学ぶ学部です。政治家や官僚、法曹界などを目指すみなさんはこちらを受験しましょう。なぜか学科は設置されていません!
経済学部
経済、経営、商業、金融などについて学ぶ学部。こちらも1学科制で、理論・歴史コース、政策コース、マネジメントコース、ファイナンス・会計コースの4コースが設置されています。
経済経営学科
経済学部唯一の学科。
理学部
理系の学問について、理論的な側面から探求する学部。実用性を重視する工学部と比べると、より基礎的な部分を研究します。こちらも理系の学部としてはめずらしく1学科制。数理科学系、物理科学系、地球惑星科学系、化学系、生物科学系の5つの系が用意されています。
理学科
理学部唯一の学科。
医学部
医学や健康などについて学ぶ学部。特色入試では、医学科、人間健康科学端看護科学コース、人間健康科学科先端リハビリテーション科学コース、人間健康科学科先端リハビリテーション科学コースのそれぞれに募集枠が設けられています。
医学科
医師を目指す学科です。国内では東大理3に続いて偏差値が高いデス。
人間健康科学科
看護学やリハビリテーション、医療検査技術などを学べる学科です。看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士の資格取得を目指すことができます。
薬学部
薬について研究する学部。特色入試では、薬科学科と薬学科のそれぞれに募集枠が設けられています。
薬科学科
医薬品の開発や製造について学ぶ学科です。4年制。製薬会社で研究などを行いたいのであればこちら。
薬学科
6年制で、薬剤師資格の取得を目指します。
工学部
新しいシステムや新しい材料など、新しいモノを生み出すことを目指す学部です。割と実用性を気にします。就職では引っ張りだこ。東大よりは学科の分け方が大雑把です。
地球工学科
土木工学、資源工学、環境工学といった、地球に関連する学問を学ぶ学科です。宇宙工学については、物理工学科の範囲になるので注意してください。
建築学科
建築物の設計や都市計画について学ぶ学科です。
物理工学科
機械や材料、原子力など、工学の広範囲をカバーしています。学部には、機械システム学コース、材料科学コース、エネルギー応用工学コース、原子核工学コース、宇宙基礎工学コースが設置されています。
電気電子工学科
発電や送電、電気回路や半導体の設計、システム制御、情報通信など、電気に関連する学問を学ぶ学科です。
情報学科
計算機や暗号、計算アルゴリズム、人工知能などについて学びます。1回生終了時点で数理工学コースと計算機科学コースに分かれます。
工業化学科
化学を中心とした工学を学ぶ学科です。2年次の後期から、創成化学コース、工業基礎化学コース、化学プロセス工学コースの3コースに分かれます。
農学部
農業や森林、食料について学ぶ学部です。京都大学にしては珍しく、比較的細かく学科が分かれています。
資源生物科学科
植物、動物、微生物などの生物全般について、基礎知識から応用技術まで、幅広い教育を提供する学科です。
応用生命科学科
農業生産、食品・化学工業、環境保全などに関連する生命現象を、分子レベルで研究する学科です。バイオテクノロジーの学科といってもよいでしょう。
地域環境工学科
環境や食料、自然エネルギーについて学ぶ学科です。ダムや下水処理、バイオマスエネルギー、ロボットファーミングなどもこの学科の範囲です。
食料・環境経済学科
農学部では唯一、人文・社会科学的な研究手法を用いている学科です。比較的文系に近い学科といえるでしょう。食料問題や環境問題を扱います。
森林科学科
森林について学ぶ学科です。森林環境から庭園・都市公園のデザイン、キノコのバイオテクノロジーまで、森林がかかわるほとんどの分野を扱います。
食品生物化学科
食品と健康に関する研究を、化学・生物・物理を基軸とする実験科学に基づいて分子・細胞・個体レベルで行う学科です。
入試の偏差値・難易度
東進が発表している偏差値を以下の表に示します※1。
文系は東大よりやや易しく、一橋大学よりやや難しくなっています。理系(特に工学部)に関してはちょっと変わっていて、Cライン偏差値は東大よりもやや低くなっているものの、Aライン偏差値は東大を上回る学科が多いです。
東進Aライン 偏差値 (可能性80%) | 東進Cライン 偏差値 (可能性50%) | |
人間総合学部 | 77 | 72 |
文学部 | 76 | 71 |
教育学部 | 76 | 71 |
法学部 | 76 | 72 |
経済学部 | 77 | 72 |
理学部 | 77 | 71 |
医学部 医学科 | 80 | 75 |
医学部 人間健康科学科 | 71 | 67 |
薬学部 | 75 | 70 |
工学部 地球工学科 | 78 | 70 |
工学部 建築学科 | 77 | 71 |
工学部 物理工学科 | 79 | 70 |
工学部 電気電子工学科 | 78 | 70 |
工学部 情報学科 | 78 | 70 |
工学部 工業化学科 | 77 | 69 |
農学部 資源生物科学科 | 75 | 70 |
農学部 応用生命科学科 | 76 | 70 |
農学部 地域環境工学科 | 74 | 68 |
農学部 食料・環境経済学科 | 74 | 69 |
農学部 森林科学科 | 74 | 68 |
農学部 食品生物科学科 | 76 | 70 |
(参考)東京大学 文科一類 | 77 | 73 |
(参考)東京大学 理科一類 | 75 | 72 |
(参考)東京大学 理科三類 | 80 | 76 |
(参考)東京工業大学 情報理工学院 | 75 | 70 |
(参考)一橋大学 社会学部 | 75 | 71 |
※1 https://www.toshin-hensachi.com/ 2020年8月アクセス