大学院とは何か。~大学とは全く違う独特の世界について~

院試・大学院生活

皆さんは、「大学院」というものをご存知でしょうか。大学を卒業した人が所属する研究・教育機関です。

私は小学生の時から、父親に「お前は、将来大学院まで行くんだぞ」と教育されてきましたので、存在自体は昔から知っていました。しかし、父親は肝心の「大学院の中身」については教えてくれませんでしたので、まさに大学院に入学するその日まで、「大学院は、単なる大学の延長だろう」くらいの認識でいました。

しかし、大学と大学院は全くの別物。大学院進学後に、初めて知ることがたくさんありました。

本記事では、大学院の概要をざっくりお伝えします。

大学院で行うこと

大学院とは、大学の卒業生を対象に、さらに高度な研究・教育を行うための機関です。

大学と同じような「授業」もあるのですが、これはほとんどおまけのようなものです(参考までに、私が修士で取得した単位数は31単位)。大学院生は、そのほとんどの時間を「研究」に費やします。これが、ほとんど授業しかしていない大学(学部)と大学院の圧倒的な違いです。

「研究って、なに?実験とは違うの?」という疑問をお持ちの方は多いと思います。私も、研究とは何なのかよくわからないままに大学院に進学し、大変な苦労をしました。このあたりについては、また別の記事で解説しようと思います。

大学院の課程

大学院の課程・コースは、修士課程(博士前期課程)と博士課程(博士後期課程)に分かれていることが多いです。また、一部の大学では専門職学位課程を設置しています。

大学院 課程
大学院の課程

大学を卒業した学生さんは、基本的にまず修士課程に進学し、修士課程を修了(卒業とは言わない)した後に、(行きたい人は)博士課程に進学します。トップ大学の理系ではもはや修士課程への進学はあたり前になっており、東工大は大学と大学院の垣根をほとんど無くすような教育改革を行いました。

修士課程

修士課程は、学士の学位を持つ人(大学を卒業した人)が所属できる課程です。博士前期課程と呼ばれることもあります。

2年間が基本ですが、極まれに1年で終える人や3年以上かかる人がいます。修士論文と呼ばれる論文を執筆し、審査に合格すると修士の学位を得ることができます。

博士課程

博士課程は、修士の学位を持つ人が所属できる課程です。博士後期課程と呼ばれることもあります。

博士論文と呼ばれる論文を執筆し、審査に合格すると博士の学位を得ることができます。ただし、博士論文さえ執筆できれば良いかというと、そうでもなく、有名ジャーナルへの論文投稿や国際学会での研究発表などが卒業要件として規定されていることが一般的です。

3年間が基本ですが、4年以上かかることは珍しくありません。博士号を得ることなく課程を終える「単位取得満期退学」となる人もいます。極まれに、2年で終える人もいます。

学士課程の所持者を対象とした博士課程(一貫性博士課程や5年制博士課程ということがある)もあり、この場合は5年間が基本となります。こちらも、5年以上かかることは良くあります。

専門職学位課程

専門職学位課程は、正確には修士課程・博士課程とは別のものです。ただし、学士の所持者を対象としている点や、基本的に2年間であることなど、修士との類似点が多数見られます。

取得できる学位は「専門職学位」ですが、修士と同等の扱いとされることが多いようです。

社会経済の分野における高度専門職業人を養成すること、を目的として設立されたもので、政治・経済分野についての研究をすることが多いです。例えば、東工大が提供する唯一の専門職学位は、「技術経営専門職」です。

実は、司法試験のために通う法科大学院は、この専門職学位課程を提供する大学院です。法科大学院を修了すると、司法試験の受験資格と「法務博士(専門職)」の専門職学位が与えられます。※博士と名前がついていますが、博士の学位ではなく、専門職学位です

大学院はどこにある?

大学院は基本的に大学に併設されていて、例えば東京大学大学院は、東京大学の一部と考えてしまって問題ありません。校舎や職員さん、先生などは、大学・大学院でほぼ一緒です。

また、大学院生はパッと見では学部生(大学生)と区別がつきません。大学院生は基本的に「研究室」と呼ばれる組織・グループに所属しますが、研究室には学部生も配属されることがありますので、研究室にいる=大学院生というわけでもないのです。

大学院大学

ちなみに、ごく一部、大学院のみ設置されている教育機関があります。これを、大学院大学と言います。国立の大学院大学は全部で以下の4つです。

国立の大学院大学
  • 総合研究大学院大学 (SOKENDAI、そうけんだい)
  • 北陸先端科学技術大学院大学 (JAIST、ジャイスト)
  • 奈良先端科学技術大学院大学 (NAIST、ナイスト)
  • 政策研究大学院大学 (GRIPS、グリプス)

ナイストの学生さんと何度かお話ししたことがあるのですが、彼ら/彼女らはめちゃくちゃ勉強・研究しています。大学院大学の”ガチ”感は半端ないです。

他にも、公立や私立の大学院大学がいくつかあります。有名なところだと、沖縄の沖縄科学技術大学院大学(OIST、オイスト)があります。質の高い論文数で国内1位、世界9位になったことで話題となりました。なお、OISTは5年制博士課程のみ設置しています。

大学院に入学する方法

大学院に入学する方法ですが、基本の流れは大学受験と変わりません。自分が進学したい大学院の願書を取り寄せ、出願したのちに入学試験(通称、院試)を受けます。院試に合格すれば、大学院に入学できます。

もちろん、学士課程と修士課程、博士課程それぞれで、大学を変えることができます。私も、東工大で学士(工学)を取得した後、東大で修士(工学)を取得しました。博士を取得するかはまだ考え中ですが、取得するならまた別の大学院に通っても良いかなと思っています。

ところで、大学院に進学する場合は院試対策が必要になります。実は、この院試は大学入試とかなり異なり、単に勉強ができれば合格するものではありません。詳しくは以下の記事に記載しましたので、ぜひご覧ください。