【文系VS理系】高校生におすすめの進路選択

大学受験

今日は、「文系に進むべきか?」「理系に進むべきか?」というテーマでお話します。

多くの場合、高校1年生~2年生あたりで、文系・理系のどちらに進むかを決めると思います。ほとんどの人が、「数学が苦手なら文系、得意なら理系」という基準で文理選択をしているのですが、それではちょっともったいないです。今まさに文理選択に迷っている高校生は、是非ご覧ください!

ちなみに、「文系か理系かは決めたけど、志望校がきまらん」という高校生はコチラの記事をどうぞ!

文系、理系とは?

そもそも、文系と理系とは何でしょうか。文系・理系は、学問の分類方法の1つです。”文系の学問”や、”理系の学問”があるということです。また、文系の学問を専門に学んでいる人を、文系人材と呼んだり、単に文系と呼ぶことも多いです。理系の場合も同様です。

世の中にはいろいろな学問がありますが、ざっくりと私の感覚で学問分野を文系・理系に分けてみます。

※なるべく高校生がイメージしやすいように、「文化人類学」「理学」のようなわかりづらい単語は避けました

文系

哲学、宗教学、心理学、歴史学、言語学、文学、政治学、法律学、経営学、経済学、など

理系

数学、物理学、化学、生物学、医学、看護学、農学、地学、宇宙学、建築学、など

  • 「おい!ほかにもいろいろな分野があるだろ!」
  • 「工学はどこにいった!」
  • 「建築学を入れるなら地質学とかも入れろ!言葉の粒度があっていない!」

などなど、いろいろなご意見はあるかと思うのですが、あくまでこれはイメージをつかんでもらうための分類なので、ご容赦を。ざっくりと、国語とか社会っぽいことをやるのが文系で、数学とか理科っぽいことをやるのが理系です。

と、まあここまではほとんどの高校生が理解していることでしょう。問題は、「文系・理系を選ぶと、将来どんな影響があるのか?」ということです。そこで、文系・理系・医学系(医学、薬学、看護学)の大学生活と就職先を、私の独断と偏見で比較してみたいと思います。

※医学系は、広く理系に分類されますが、大学生活やその後の進路が理系とは大きく異なるため、理系とは別にしています

文系・理系・医学系の大学生活

大学生活は、文系・理系・医学系でかなり違いがあります。忙しさの観点からいくと、医学系が最も忙しく、文系がもっともヒマです。

もちろん、これはあくまで全体的な傾向であって、中にはとても忙しい文系の学生もいます。とはいえ細かい話をしても仕方ないので、若干正確性は劣ることをみとめつつ、このまま話を続けます。

文系の忙しさ

文系は自由な時間が比較的多いです。もちろん、司法試験や公認会計士試験の対策をしたり、卒業論文や研究に真面目に打ち込んでいる学生は忙しいですが、やはり全体的には理系より忙しくないでしょう。

理系の忙しさ

理系は、一般的に文系より忙しいです。その原因の多くは、理科実験が(ほぼ)必須だからです。学部3年生や4年生から研究が始まり、深夜まで大学に残ることもしばしばです。また、研究を行うためにはしっかりとした基礎知識が必要であるため、学部1年生や2年生の授業・課題も厳しめです。ただし、中にはヒマな理系もいます。研究が忙しいかどうかは、所属する研究室ごとに大きく異なるため、ゆるゆる研究室に所属すると、かなり自由な時間が生まれることがあります。

医学系(医学科、歯学科、薬学科、看護学科等)の忙しさ

医学系はものすごく忙しいです。国家試験対策や実習がありますし、暗記すべき事柄の量が半端じゃないです。とくに、医学部医学科(いわゆる、お医者さんをめざす学科)の忙しさはぶっ飛んでいます。私は工学部でしたが、医学部の話を聞くたびに、「医学部やべー」と思っていました。あと、薬学部とかも普通に忙しいです(特に実習期間)。

文系・理系・医学系の就職先

文系の就職先

文系の場合、公務員や営業職、事務職に進む人が多いです。優秀な人材であれば、法曹界(弁護士、検事、裁判官など)、官僚(国家公務員総合職)、証券会社、コンサルティングファームといった政治・経済・経営の重要な意思決定に関わる職種・企業に進むことができます。総合商社も、文系学生から人気の就職先です。また、最近ではベンチャー企業のマーケターなどを志望する学生も増えています。

文系人材は「わかりやすい専門性」を有さないことが多いこともあり、全体として理系よりも就職活動で苦労しやすい傾向にあります。(ただし、外資系投資銀行や外資系コンサルティングファーム、総合商社などの給与は多くの理系職よりも高いです。)

理系の就職先

理系の場合、メーカーやIT企業等で研究開発に従事するパターンが一般的です。ただし、営業職や事務職に進む人がいないわけではありません。また、証券会社やコンサルティングファーム、総合商社といった「文系の花形」の職を志望する理系学生も多くいます。この理由はいくつかありますが、「頭脳労働であり、理系で鍛えた思考力を活かせるから」「部分的に理系の知識が必要な業務があり理系人材の募集があるから」「理系職と比較して給与が良いから」といったものが多いです。

理系人材は高い専門性を持っているため、全体的には文系学生より就職がしやすい(企業が欲しがる)傾向にあります。文系の仕事に進むことも可能で、就職先の選択肢が多いという点がメリットです。ちなみに、大学や研究機関に残る人もいますが、少数です(狭き門です)。

医学系の就職先

医学系の場合、進路はほぼ決まっています。医学科や看護学科であれば病院でお医者さんや看護師さんをすることになりますし、薬学科であれば薬剤師や製薬会社、医療系のメーカー・商社などに就職することが多いようです。もちろん例外もありますが、医学系は専門性が高いので、医学から離れた進路に進む人は極まれです。

文系より理系が優れているのか?

世の中には、「文系より理系の方がエラい・スゴい」という考え方をもつ人がいます。文系を小馬鹿にする大学の先生にはたくさん出会いました…。

しかし、私はそうは思いません。文系でも優秀な人・世の中の役に立っている人は多くいらっしゃいます。もちろん、大学生だけを見ると、全体として理系学生の方が真面目に勉強している傾向はある気もしますが…

「文系ってなんかダサいし、理系に行こう」と考えている高校生は、いったん立ち止まって、もっとじっくり考えてみてください。文系でも、素晴らしいキャリアはたくさんあります。

(立派な文系の方は、理系の学問もしっかり理解していますし、逆もまたそうです。)

結局、文系と理系のどちらに進めばよいのか?

まず、自分が将来やりたいこと、進みたいキャリアを考えてみましょう。このとき、「文系に進みたい!」「理系に進みたい!」という考えを既に持っているのであれば、迷わずそちらを選択しましょう!例えば、「将来は弁護士になりたいんだ!」というのであれば、絶対に文系を選ぶべきです。

ただ、ほとんどの人は、「別にやりたいことはない」という状態かと思います。

この時、理系科目に苦手意識がなければ、とりあえず理系に進むことをおすすめします。なぜなら、その後の選択肢が多いからです。

理系に進んだ後に文系に切り替える(通称、文転)のは比較的楽ですし、「大学院まで理系だが文系の仕事に就職」という選択もできます。やりたいことはいつどう変わるかわかりません。将来の選択肢を無駄に狭めないためにも、理系を選んでみてください。

一方で、「文系科目もそんな好きじゃないけど、理系科目は本当に無理。」という場合は、勉強以外の選択肢(芸術やスポーツなど)も考えつつ、一旦文系を選んでみてはどうでしょうか。理系科目はかなり負担が大きいですし、大学生活も忙しくなります。理系科目が嫌いなのであれば、理系に進むのはあまりおすすめできません…。文系の勉強をしつつ、自分のやりたいことを模索してみてください。

ちなみに、文系から理系への転向も不可能なわけではありません。例えば、QuizKnockの伊沢さんは、東大経済学部から東大大学院農学系研究科に進学しています。まあ、経済学部は文系のなかでもかなり理系寄りな学部ですが…。他にも、一時期暴言で話題になった元政治家の豊田真由子氏は、東大法学部からハーバード大学大学院で理学の修士号を取得しています。エリートですねぇ…。

まとめ
  • 文系の勉強・研究がしたい!⇒文系を選ぼう!
  • 理系の勉強・研究がしたい!⇒理系を選ぼう!
  • どっちでもいい⇒とりあえず理系にしよう!
  • どっちもやだ!⇒芸術やスポーツの道も考えつつ、文系にしよう!

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