【大学院入試完全攻略】大学院入試のすべてを解説します

院試・大学院生活

本記事では、

大学院に入学したいな!

と思っている人に向けて、大学院入試を徹底解説いたします。

大学院とは

そもそも、大学院とは何か、ご存知でしょうか?大学院とは、高度な教育・研究を行う機関で、通常は大学を卒業して学士号を得た研究者が所属します。

大学院 課程
大学院の課程

大学院の課程・コースは、修士課程(博士前期課程)と博士課程(博士後期課程)に分かれていることが多いです。また、一部の大学では専門職学位課程を設置しています。制度面などについては、以下の記事で詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください!

大学院入試の特徴と、大学受験との違い

大学院は大学受験と同様に、願書を提出(出願)したのちに試験に合格することで入学できます。

ただし、大学受験と大きく異なる点があります。それは、単に試験で点数を取れれば合格できるわけではないということです。これは、非常に重要なポイントです。

大学院受験は、単に入試で点数を取るだけでは合格できない

順を追って説明します。

まず、大学院を受験する際は、出願時に「希望の研究室」を提出します。そして、その研究室に配属できるか否かは、その研究室の先生(指導教員)にかかっています。

もちろん、入試での点数が高いに越したことはありません。ただし、最終的に合否を判断するのは指導教員です。指導教員が「この学生はうちにはいらないよ」と言ってしまえば、その学生はその研究室に所属出来ません。

これについて、以下の記事に詳しく記載しております。大学院入試を考えている方は必見です!

また、「授業のプリントや教科書の問題と非常に似た問題が出題される」というのも、大学入試とちょっと違う点です。

例えば、東京大学の大学入試で、教科書の問題がほぼそのまま出されることはまずありませんよね?

ところが、大学院入試になると、ほとんどの問題がどこかしらの問題の使いまわしだったりするのです!そうです、さながら大学の定期試験のような問題なのです。

それでも、まだ東京大学は凝った問題を出しがちですが、東工大は本当に教科書の例題をそのまんま出題してきたりします…(個人の感想です)。

大学院入試の流れ

志望する研究室を探す

大学院入試では、学部や学科、専攻ではなく、「研究室」を志望します。したがって、研究室単位でしっかりと研究内容をみる必要があります。このとき、本来であればまず「やりたい研究テーマ」を決めて、それを研究できる「研究室」を(世界中の大学院の中から)選ぶ、という流れになります。

院試の理想的な流れ

しかし、実際のところ「やりたい研究テーマ」がバッチリと決まっている大学生は少ないと思います。むしろ、「大学院は東大に行きたいな~」というような、大学名で志望する人がほとんどでしょう。

私も、「医療×工学の研究がしたい」という思いがありつつも、それ以上に「東大に行きたい」という思いが強かったために、東大を志望しました。東大には医工学の研究室がたくさんあったので結果オーライでしたが…。

このような場合、大学名から決めてしまっても問題ないと思います。大学を決めたあとで、興味のある研究科・専攻のWebサイトをいくつか見てみて、自分に合った研究室を探しましょう。

研究室訪問をする

研究室訪問とは、入試の前に気になる研究室を訪問することです。基本的に、どの研究室も「研究室訪問したいのですが」と連絡すれば快く受け入れてくれます(先生が忙しかったりするとダメなときもありますが)。

研究室訪問の時期

研究室訪問の時期は、学部4年の8月に入試があるとすると、学部3年の3月ごろ~学部4年6月ごろが一般的になるかと思います。

受け入れる先生側としても、「早い段階で候補者を知って、研究テーマの割り振りを考えたい」という思惑があったりするので、院試直前で行くのはあまりオススメしません。少なくとも、院試の2ヶ月前までには訪問しておくべきかと思います。

ちなみに、年末~2月ごろは、論文の執筆・指導・審査等で研究室全体がめちゃくちゃ忙しかったりするので、避けた方が無難です。

研究室訪問は必須?

「研究室訪問は必須ですか?」とよく聞かれます。

結論、必須ではありません。研究室訪問をせずに研究室に所属する大学院生は、たくさんいらっしゃいます。

しかしながら、私は研究室訪問をすることを強くおすすめします。これについて、以下の記事に詳しく記載しておりますので、ご覧ください。

試験勉強をする

勉強スケジュール

受験する専攻が決まったら、さっそく試験勉強を始めましょう。

個人的には、院試の1年前から始めることをオススメします。実際のところ、ほとんどの学生は3~4ヶ月程度しか勉強しないのですが、これだと不合格になる人も一定数います。試験勉強のスケジュールについては、以下の記事に詳しく記載しております。

1に過去問演習、2に過去問演習

院試の試験対策は「過去問演習」が基本になります。大学入試と異なり、過去問と似た問題が出題される確率がかなり高いので、過去問演習をどれだけやったかが、当日の得点に大きく響きます。

また、その大学の学部授業で使われている教科書の問題や、授業プリントに記載の問題も要チェックです。これらの情報は、外部からの受験生はなかなか入手しづらいと思いますので、「内部生とはかなり差がある」という意識を持って、入念な対策をする必要があります。

英語は早めにやっておくと超有利!

英語については、多くの大学院でTOEICまたはTOEFLのスコアを提出することになると思います。これについても、なるべく早い段階から手を付けておくべきです。

英語はその後も一生使える武器になりますから、どれだけ早くから勉強しても損になりません。みなさん、さっそく今日から英語の勉強を始めましょう!!

ちなみに、私はTOEFL対策をサボって大変なことになりました。

理系の場合は1・2年生の数学の復習を!

理系の場合は、数学が試験科目に入っているはずです。

多くの場合、線形代数や微分積分、フーリエ変換、微分方程式、複素関数などの学部1・2年で習うような事項が出題されます。「ちょっとやればすぐ思い出せるっしょ~」と思いがちですが、意外と忘れています。

以下に、東大の工学系などを受験する際に役立つ数学の参考書をご紹介しております。どの大学院入試にも使えるはずなので、ぜひチェックしてください。

あと、(需要がどれくらいあるか分かりませんが、)東工大電気電子系を受ける際におすすめの教材を以下でご紹介しております。

院試合格後に面談をする

院試に無事合格したら、早い段階で受け入れ先の先生と面談すると良いです。

このタイミングで研究テーマについて希望などを伝えておけば、先生もなんらかの配慮はしてくれます。研究テーマは早いもの勝ちの研究室が多いと思いますので、早めに相談しておくに越したことはありません。

また、入学するまでにやっておいた方が良いことを聞くのも良いでしょう。

私の場合、かなり色々とやるべきことをお伝えいただきました。やる気はめちゃめちゃあったので、「これは買ったほうが良いよ」と強くオススメされた本はすぐに買いました。3万円以上しました。

とはいえ、ほとんどの場合、「卒業研究をしっかりやってください」というのが最優先事項となるはずです(私もそうでした)。