修士論文の執筆で死にそうになっていた話

院試・大学院生活

こんにちは。つるつるコンサルタントです。

今日は、私が修士の学生で本当に辛かったときの話(その2)をします。

その1は、「研究でメンタルをやられて大学院中退を考えていたときの話」として以前記事にしておりますので、以下のリンクからご覧ください。

その1、でお話しした通り、私は修士2年の春に本気で大学院の中退を考えていました。あまりにも思い詰めてしまい、1ヵ月ほどの休養を余儀なくされ、その後に研究活動に復帰しました。

そして復帰から半年ほど経った修士2年の冬、再び地獄の日々が始まったのです。

研究テーマが定まらずに苦悶

私は修士1年生の時から、海外企業の研究者を交えたとある研究プロジェクトに参画していました。このプロジェクト自体は修士論文のテーマに出来なかったため、プロジェクトの内容を少しアレンジした研究を並行して実施し、そのアレンジした研究で修士論文を執筆する予定でいました。

ところが、そのプロジェクトがまあ炎上することこの上なし。私はメンタルを病んでプロジェクトから外れました。それと同時に、私の修士論文研究は振り出しに戻りました。

復帰後、私は1から別の研究テーマを見つけ、修士論文を執筆する必要がありました。そして、この「テーマ決め」が多いに私を悩ませることとなります。

私の所属していた研究室は、良くも悪くも学生主導。教授や講師に頼ることなく、自分の力でテーマを見つけて研究を進める必要がありました。とはいえ、私の能力では大した研究テーマが思いつきません。時間だけが過ぎていき、焦る気持ちが高まっていきました。

誰も頼れない研究を選んで再び苦悶

修士2年の夏が終わろうとしていたとき、「いい加減テーマを決めないと本当に修了できなくなる」ということで、無理やりテーマを決めました。

共同研究者と揉めてしまった苦い経験を踏まえ、新しい研究テーマには、極力ひとりで研究を進められるものを選びました。しかしその副作用で、頼れる先輩が誰もいない内容にもなっていました。

研究テーマによって、修士論文の執筆難易度は大きく変わります。先輩の研究を引き継いだテーマであれば、研究の目的や新規性が比較的固まっていることもあり、かなり論文を書きやすいパターンが多いように思います。

逆に、一から研究テーマを立ち上げると、「そもそもこの研究、なんのためにやってるんだっけ?」という目的・新規制の疑問が次々に登場し、どちらの方向に進んでいけばいいのかサッパリわからん、ということになりかねません。私がまさにこのパターンでした。

2歩進んで3歩下がるような状況を繰り返し、悩みに悩み続けました。

失敗できなかった実験

結局、先生方からいろいろと突っ込みを受けながらもなんとか研究を前にすすめ、修士2年の12月、ついに論文の要となる大きな実験を行う段階に来ました。

色々なところから薬品を借り、機材を借り、場所を借り…と、一人で実験するにしてはかなり大掛かりな準備を行いました。準備に多くの時間を要する実験であり、なおかつ修士論文の提出期限が迫っていたため、この実験ができるのは1回限りでした。もしこの実験に失敗してしまったら、私の修士論文は絶望的な内容になってしまいます。

実験前日は、「明日の実験に失敗したらもう終わりだ…….」というプレッシャーが大きく、結局1時間ほどしか眠ることができませんでした。

そして実験当日、何とかトラブルなく実験は終了しました。研究室で実験データが適切に取得できていることを簡単に確認して帰路についたとき、これまで感じたことのない安堵感に包まれていたことを、今でも鮮明に覚えています。

論文執筆が終わらない

しかし、実験が無事に終わって安心したのも束の間、すぐに「論文執筆」という超難作業にとりかからなくてはいけませんでした。中には年明けから執筆を開始する学生もいるようですが、私は不安でしかたなかったので、12月の中頃から本格的な執筆を開始しました。

ところが、書いても書いても終わる気がしません。年が明けてからは、「本当にこのまま論文をかけずに、修了できないんじゃないか」とずっと思っていました。

毎日のように、『修論 やばい』『修士 卒業できない』でググって、自分と似たような境遇を経験した人を探していましたが、基本的に全て「なんやかんや卒業(修了)できました~」という内容で何とも言えない気持ちになっていました。「この人たちは修了できているが、自分は修了できないんじゃないか」なんて、ネガティブなことばかり考えてしまうのです。

めちゃくちゃな生活サイクルでラストスパート

そして修士論文の提出期限まで半月を切ったころ、なんとか全体の形が完成し、教授に見ていただくことができるレベルにまでもっていくことができました。

それからは、夜を徹して論文を修正し、始発で研究室に向かい、研究室で論文を修正し、教授に見てもらい、一旦家に帰って仮眠し、また夜を徹して論文を修正し、始発で研究室に向かい…という生活が始まりました。ここまでくると、もはやテンションが上がってきて不安感は薄らいでいたように思います。

そのままなんとか修士論文の提出と最終試問を終え、晴れて修了できることが決まりました。

さいごに

修了して思うのは、「やっぱり、修士は論文が書ければなんだかんだ修了できる」ということです。博士を卒業できない先輩方は何人も見てきましたが、修士は何とかなります。仮に修士を修了できない人がいるとすると、それは修士論文をかけなかった学生です。

もし修士論文の執筆に追われている学生さんがいらっしゃいましたら、是非、「とにかく完成させる。内容が薄くても、文字数が少なくても、とにかく論文を完成させる。」という気持ちで取り組んでみてください。Done is better than Perfect、です。