慶應義塾大学と並んで私立大学のトップに君臨する早稲田大学。高い研究レベルを誇る総合大学であり、学生数も多いことから、国内でも有数の超人気大学になっています。本記事では、早稲田大学の特徴を余すことなくお伝えします!
早稲田大学の特徴
総論
早稲田大学は、かの大隈重信が設立した日本最古の私立大学です。2017年のデータでは、学生数は約5万人と、日本大学に次いで国内で2番目。2021年版のQS世界大学ランキングでは、世界189位、国内9位、私立大学としては国内トップに君臨しています。
特に政治経済学部はハイレベルで、内閣総理大臣排出数は東京大学に次いで2位(7名)。また、スポーツ推薦制度も整っており、羽生結弦選手などの有名アスリートが数多く所属してきました。
まさに、日本を代表する大学の1つといえるでしょう。
早稲田大学の学部、学科の特徴
早稲田大学には、文系から理系まで幅広く学部が設置されています。また、教育学部や国際教養学部、社会科学部、人間科学部といった文理融合の学部も多数設置されています。
文系学部の特徴
文学部系の学部が2つ(文学部と文化構想学部)設置されています。これは、かつて存在した第一文学部と第二文学部を混合再編したことによるものです。
理系学部の特徴
一般的な理学部や工学部といった分類ではなく、基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部という独特の分類を行っています。したがって、早稲田大の理系卒業生は、出身学部だけでスグに早稲田大卒とわかります。
なお、医学部は設置されていません。先進理工学部の生命医科学科は、比較的医学部に近い研究を行っていると言えるかもしれません。
早稲田大学の学部、学科の一覧
政治経済学部
早稲田大の看板学部にして、国内の文系最難関学部の1つです。政治学や経済学を学びます。
以下の3つの学科が設置されています。
政治学科
政治学を中心に学びます。
経済学科
経済学を中心に学びます。
国際政治経済学科
特にグローバリゼーションを意識し、政治学、経済学、公共哲学等をバランスよく学びます。
法学部
法律を学ぶ学部です。法曹界(弁護士、検察官、裁判官)を目指すのであれば、こちらの学部が最適です。
学科の設置はありません。
文化構想学部
文学部と比較し、より学横断的な研究(様々な学問分野を横断する研究)を行っています。
「多元的・複合的な文化の様相と構造を解明し、表象の分析と文芸の創造に取り組み、人間と社会の本質に迫ることによって、新しい時代にふさわしい文化を構想する。」という理念からも、「文化構想」の意味が見て取れます。
学科は、文化構想学科のみ設置されています。
文化構想学科
文化構想学部唯一の学科です。以下の6つの論系から構成されています。
- 多元文化論系
- 複合文化論系
- 表象・メディア論系
- 文芸・ジャーナリズム論系
- 現代人間論系
- 社会構築論系
文学部
文化構想学部と比較して、伝統的な人文学の継承と発展に重きを置いている、いわゆる「文学部」です。特定の分野に特化した学習・研究を行いたい場合は、文化構想学部よりも文学部のほうが適しているかもしれません。
学科は、文学科のみ設置されています。
文学科
文学部唯一の学科です。2年次以降に、以下のコースのどれかを選択して進級します。
- 哲学コース
- 東洋哲学コース
- 心理学コース
- 社会学コース
- 教育学コース
- 日本語日本文学コース
- 中国語中国文学コース
- 英文学コース
- フランス語フランス文学コース
- ドイツ語ドイツ文学コース
- ロシア語ロシア文学コース
- 演劇映像コース
- 美術史コース
- 日本史コース
- アジア史コース
- 西洋史コース
- 考古学コース
- 中東・イスラーム研究コース
教育学部
教育学を学びます。文系4学科、理系2学科、そして複合文化学科の計7学科を設置しています。
小学校教員を目指す場合は教育学科初等教育学専攻、中学校教員・高校教員を目指す場合は分野に応じた学科を選択すると良いでしょう。
教育学科
教育学部における基軸的学科であり、教育学の基本となる分野を学びます。
以下の4つの専攻・専修が設置されています。初等教育学専攻は、特に小学校教員の養成を目的とする専攻です。
- 教育学専攻 教育学専修
- 教育学専攻 生涯教育学専修
- 教育学専攻 教育心理学専修
- 初等教育学専攻
国語国文学科
国語の教育に関する学習・研究を行います。
中学校・高校の国語科教員の養成ならびに社会の多方面において活躍できる人材の育成を目的としています。
英語英文学科
英語の教育に関する学習・研究を行います。
発足時より教員免許取得を必須としない開放制教員養成制度を採用しています。もちろん、英語教員を目指す人にも最適な学科です。
社会科
社会(地理、歴史、公民等)の教育に関する学習・研究を行います。
以下の2つの専修が設置されています。
- 地理歴史専修
- 公共市民学専修
理学科
理科の教育に関する学習・研究を行います。ただし、物理学や化学に特化した専修は設置されていません。
以下の2つの専修が設置されています。
- 生物学専修
- 地球科学専修
数学科
数学の教育に関する学習・研究を行います。もともとは理学科に含まれていましたが、2007年に独立しました。
成績優秀で一定条件を満たしている場合、大学院の基幹理工学研究科・創造理工学研究科・先進理工学研究科へ推薦入学することもできます。
複合文化学科
テレビ番組、マンガ、J-POP等のポピュラー文化やサブカルチャーを含めた「文化(=人間の活動)」の研究を行います。英語以外の外国語を専門的に学ぶことも特徴です。
商学部
経営や会計、マーケティング等、ビジネスと関連の深い学問を学びます。
学科や専修は設置されていません。
国際教養学部
国際的に活躍する人材の輩出を目的とし、2004年に新設された学部です。
他の学部とは異なり、専門分野を持たずに学習します。また、「少人数制授業」「ほぼ全ての講義が英語」「1年間の海外留学が必須」といった、非常に特色のある学部です。
学科の設置はありません。
基幹理工学部
3つある理工学部の中でも、特に数学系や情報・コンピュータ系の学問を中心に学習・研究する学部です。
以下の7つの学科が設置されていますが、入学時に選択する3つの学系(学系Ⅰ~Ⅲ)に応じて進級できる人数に制限があります。
数学科
数学を研究します。学系Ⅰから進級できます。
応用数理学科
工学への応用を念頭に、数学を研究します。学系Ⅰおよび学系Ⅱから進級できます。
機械科学・航空宇宙学科
機械や航空宇宙工学を研究します。学系Ⅱから進級できます。
電子物理システム学科
電子工学や光工学を研究します。学系Ⅱから進級できます。
情報理工学科
コンピュータ(ハードウェア、ソフトタイヤ)を研究します。学系Ⅱおよび学系Ⅲから進級できます。
情報通信学科
情報通信技術を研究します。学系Ⅱおよび学系Ⅲから進級できます。
表現工学科
科学技術と芸術の融合について研究します。学系Ⅲから進級できます。
創造理工学部
3つある理工学部の中でも、特に建築系やロボット・機械系の学問を中心に学習・研究する学部です。
以下の5つの学科が設置されています。
建築学科
建築や都市計画について研究します。
総合機械工学科
ロボット、機械工学を研究します。
経営システム工学科
生産や物流、通信等の技術を研究します。
社会環境工学科
防災や環境保全に関わる建築や都市計画について研究します。
環境資源工学科
資源循環等について研究します。社会環境工学科が建築・都市計画に重点を置いているのに対し、環境資源工学科は資源循環のプロセスや生産技術等に重点を置いています。
先進理工学部
3つある理工学部の中でも、特に物理学系や化学系、生物・生命科学系の学問を中心に学習・研究する学部です。
以下の6つの学科が設置されています。
物理学科
素粒子論や宇宙物理等を研究します。
応用物理学科
物性物理や情報工学等を研究します。
化学・生命化学科
化学・生命科学を純粋に研究します。
応用化学科
社会応用を意識して化学を研究します。
生命医科学科
医療応用を意識した科学を研究します。
電気・情報生命工学科
生命科学と電気電子情報の融合領域を研究します。
社会科学部
政治学、法学、商学、経済学等を中心とする社会科学系の学問を幅広く学習・研究する学部です。もともとは夜間学部として設置されていましたが、2009年に完全昼間部へ移行しました。
学科の設置はありません。
人間科学部
人間に関する研究を行う学部です。スポーツ科学部とともに、所沢キャンパスを拠点としています。また、「人間科学部eスクール」という通信教育課程も用意されています。
以下の3つの学科が設置されています。
人間環境科学科
人間にとっての「環境」を研究します。
健康福祉科学科
医療や健康について研究します。
人間情報科学化
人間が行う情報のやりとりを研究します。
スポーツ科学部
スポーツに関わる研究を行う学部です。人間科学部とともに、所沢キャンパスを拠点としています。
学科は、スポーツ科学科のみ設置されています。
スポーツ科学科
以下の6つのコースが設置されており、2年次に1つのコースを選んで進級します。
- スポーツ医科学コース
- 健康スポーツコース
- トレーナーコース
- スポーツコーチングコース
- スポーツビジネスコース
- スポーツ文化コース